企業の人材育成・雇用Manpower training
いま日本の企業はだんだん外国人採用に乗り出しています。新卒採用ですでに日本で何年間勉強している留学生を採る、というのは一般的ですが、実際直接海外から職歴のある、即戦力になりえる人材を取り入れたい企業も多いのです。 ここでは、日本の転職市場や外国人の採用トレンドについてご説明していきます。
みなさんは、「少子高齢化」という言葉を聞いたことはありますか。
そう、日本では社会問題にもなってきている、出生率が下がっている一方死亡率が低くなっていて、結果若い人口が減少し高齢者が増えている現象を指しています。
IT、小売、ホテル、介護などなど今後も大量に人材を取り入れないといけない業界はたくさんありますが、日本人の若者だけだと人数があまりにも足りないのでいま日本の企業はだんだん外国人採用に乗り出しています。
新卒採用ですでに日本で何年間勉強している留学生を採る、というのは一般的ですが、実際直接海外から職歴のある、即戦力になりえる人材を取り入れたい企業も多いのです。
ここでは、日本の転職市場や外国人の採用トレンドについてご説明していきます。
別記事でも少しご紹介したのですが、日本では「終身雇用」制度が主流でしたが、今は少しずつ崩壊してきています。
終身雇用とは、文字通りですが同じ企業で定年まで雇用され続けるという、日本の正規雇用においての慣行です。諸説ありますが、終身雇用の起源は大正末期から昭和初期と言われています。その時、労働者はより良い待遇を求めて職場を変えることが普通で、定着率がものすごく低かったと言います。企業としては残してもらいたいので、定期昇給制度、退職金制度を導入したのが始まりでした。ただその時はあくまでも企業側の好意で行われることが多く、明文化された制度ではありませんでした。
第二次世界大戦やその直後はいったん衰退しましたが、その後の高度経済成長時代においては好景気が続き、多くの企業では労働力不足が目立ち、特に大企業は長期雇用の慣習が一般化され、1970年代にはさらに企業側の解雇権を制限する判例が出ており、そこから制度として定着していたとのことでした。
バブル崩壊後、日本の経済成長がとどまり、少子化なども重なってきて日本的経営であった終身雇用や年功序列を維持することが難しくなってきていました。
また、終身雇用制度の定着により、正規労働者(主に正社員)と非正規労働者の格差が大きいことや、出産や育児で休暇期間が見込める女性が仕事が限定される等不公平な待遇をされてしまうこと、能力や成果ではなく年功序列で昇進が決まることなど、たくさん指摘も受けてきました。
上記を改善しようとし、成果主義に転向する会社も多くなってきています。ただ、終身雇用制度が「崩壊」し始めたとは言っても日本では長期雇用の慣習がまだ根強く残っていて、転職率は欧米よりまだまだ低いのが現状です。
基本的に、転職をする理由は下記のものになるでしょう。
○企業側の都合
・会社倒産・事業所閉鎖のため
・人員整理・勧奨退職のため
・事業不振や先行き不安のため
○労働者側の都合
・結婚・出産・育児のため
・家族の介護・看護のため
・健康上の理由のため
・定年のため
・より待遇の良い仕事に就くため
こうやってみると、圧倒的に消極的な理由が多いように読み取れますよね。
日本では先述の終身雇用制度が浸透しているため、基本的に労働者(社員)から退職の申し出がなく定年まで一つの会社で働くケースが多かったのですが、近年になってから欧米よりも影響を受け変化が見られています。
実際、日本の総務省統計局が毎年日本人の転職者数を発表しており、リーマンショックのあった2008年を除いて見ると転職者数が年々増えてきています。
第一生命経済研究所のレポートでは、ここ最近の好景気もあり労働者側の売り手市場となり、転職の理由として「より良い条件の仕事を探すため」という前向きな転職が増えてきており、企業側の対応に注目しても求人数の増加や求人条件の改善などが見られています。
本題に戻すと、「少子高齢化」により日本の人口、特に労働力人口(15歳以上65歳未満)はだんだん減ってきており、経済の好景気も加え、求人倍率がだんだん高くなってきています。
*求人倍率というのは、求職者1人に対し何件の求人があるかを示す数値になります。現在、日本の求人倍率は1.5~2の間で波動しています。
日本人の労働力を雇うのに行き詰った企業が増えてきており、そういった企業がまず外国人の労働力を活用することに目を向けたのです。
一括りで「外国人労働力」と言っても、たくさんの層があります。
工場や建築現場などでは単純作業を主に行う人もいれば、外国人の多い免税店で働く人もいますし、日本人と同じく正式な選考を通じて総合職や営業、マーケティング、企画職などに就く人もいるわけです。
年収を比較しても、大きな差が見えてきます。日本政府としては、今後は高度人材に当たる外国人を積極的に受け入れる方針を決めているので、せっかく日本に来て仕事をするなら、日本人と同じルートで高いポストや年収を狙いましょう。