企業の人材育成・雇用Manpower training
日本の就活って、いろいろルールがあり、外国人留学生にとっては理解しづらいもの。本サイトでは、日本での就活を経験し、いま実際に日本の企業に勤めている先輩に根掘り葉掘りインタビューをしました! 第九弾は、有名ゲーム会社でデザイナーとして働くLさん。日本が好き、日本のゲームが好き、という延長線上にある日本での就職を選び就活に挑んだLさん。ご自身も大好きな企業に就職できたわけとは…?
L.E.さん
中国出身、東京工芸大学大学院卒業
2017年卒 有名ゲーム会社在職中
Q:Lさんは、東京工芸大学の大学院を卒業されているんですね。
A:はい!中国の大学を卒業して、工芸大の大学院に進学を決めたんです。中国でも日本でも専門はゲームデザインでした。
Q:そしていまはゲームデザイナーとして働いているんですよね。ゲーム好きな人なら一度は夢見たことあるような職種だと思います…いいなぁ…
A:(笑)
Q:あ、すいません(笑)それでは質問をさせていただきたいと思います。まずなぜ日本での就職を決めたのですか?
A:帰国も考えましたが、せっかく日本の大学院に入ったし、少しは働いてみようかなみたいな気持ちが強かった、ということですかね。あとは、いま中国でも就活の競争が結構激しいと思うんですけど、日本での職歴を持ち帰ったほうが良いかなとも思いました。
Q:うんうん。大学院を卒業して、日本で働いたほうが確かに今後のキャリアにも積極的な影響はあると思います。おっしゃる通りそのまま帰ったらもったいない気もしますし。ゲーム好き&専門もゲームデザインということで、やはりゲーム会社を中心に就活をされていたんですか?
A:そうですね。大体5社前後はエントリーしました。
Q:お、結構社数的に少ないんですね!今勤務されている会社も含めて、どうやって志望企業を絞っていたんですか?
A:確かに、普通の大学生よりは応募した社数はだいぶ少ないと思います。今の会社の場合、私が修士2年の時にうちの学校にきて説明会をやってくれたんです。
Q:その説明会について少し詳しくお話いただけますか?
A:あ、普通の学内の合同説明会ですね。お恥ずかしい話ですが、その説明会に私少し遅刻してしまっていて、着いた時もう終わりかけていたんですよ。でも、それもそれでラッキーで、あまり人がいなくて、結果的に1対1でお話を聞くことができました(笑)
Q:なるほど。それもご縁ですね(笑)
A:そもそも今の会社って規模が小さいので、社長もその説明会に来てくれていました。
Q:大手だとあり得ないことですもんね。
A:はい。実は私、自己評価が低いほうだと自覚しているので、大手企業の場合自分そこまで合っていないと言いますか、苦しくなるかなと思いました。対して小さい会社だったら、先輩とかが近くにいて、がっつり指導してもらえるかなと。あとは小さい会社だと自分が作りたいゲームを作れるかもしれないという自分の夢もあったり。
Q:すごい…Lさんはまさに「好き」を「仕事」にできましたね。
A:実際に今働いていると、もちろんつらいこともありますが、自分に合った仕事ですし、すごいやりがい感じています。
Q:ゲーム会社のデザイナー職、ということは一般的な総合職とかと選考プロセスに違うとことがあると思いますが、順番を追って少しずつ説明してもらってもいいですか?
A:はい。普通の会社だとエントリーシートの提出から応募が始まると思いますが、デザイナーとかクリエーターの場合、自分の今までの作品集というか、ポートフォリオも提出しないといけないんですね。
Q:ほうほう。なんか聞いたことありますね。例えばデザイン会社とかゲーム会社だと、どうしても定まったスタイルというか、うちはこういうものを書くんですというのがあって、それに合わなければどれだけ有能であっても採用に至らないんですよね?
A:そうそう。私も就活の時、「決して悪くはないんですがうちの画風には合わないかもしれません」と言われたことがあります。
Q:うわ、それはつらいですね…
A:まあ、そういうこともあると学んでおいて損はありません。私の場合応募した社数が少なかったんですが実際大半は書類で落ちてしまっていました。今いる会社に関しては元々そこのゲームが大好きで、ここだけでもと思って、ポートフォリオの準備とかにもすごく力を入れました。
Q:うんうん。面接とかに関してはどうですか?
A:私の場合、今いる会社は3回ありました。さっきも言ったように会社の規模が小さいので、3回とも社長がいたんですよ。連れてくる人は毎回違うんですけど。
Q:へーそれはすごいことだと思います。中小企業だと、最終面接には社長出てくると思いますが3回全部出てくるとは…
A:この会社に合った実力を持っているか。かつ問題なく溶け込めるか。その時はこの2点について試されていたと思います。すごく好きな会社だったのでもちろん情熱もありましたし、会社の詳細も知っているし、プラスちょうど会社が中国展開を強めようとしていたタイミングでした。運もありますが、最終的に今の会社に入れて本当に良かったと思っています。
Q:少し暗い質問になってしまいますが、満足のいく結果を手に入れた、というLさんの就活ですが、その中で一番つらかったことは何だったのでしょうか。
A:うーん、何でしょうね。私は2016年5月から就活を始めたので、卒業論文と作品と就活の兼ね合いがすごく体的にもメンタル的にもしんどかったんですよ。
Q:なるほど。特に大学院卒だったので、修士論文は学士論文とは桁が違うと思います。
A:それもそうですが、実はその時バイトも3つ掛け持ちしていました。
Q:ええーー??ちょっと待ってください(笑)
A:バイトというか、別のゲーム会社で翻訳のバイトをやったり、今の会社でのインターンもあったりしました。とにかく、時間が足りない、という状況でした(笑)。
Q:ゲーム翻訳のバイトもされていたんですね!
A:はい。元々私日本語は専門じゃないので、正直しんどかったのですが、今になってはそのバイトをしてよかったなと思っています。今でもデザインをする上でその知識を生かしています。
Q:それは良かったですね!そして先ほどおっしゃっていたインターンですが、内定後のインターンという感じでしょうか?
A:そうですね!言ってしまえば長期バイトのような感覚ですね。何度も言いましたが小さい会社なので、入社前に皆さんとコミュニケーションが取れて、業務も一通り感覚をつかめたのでよかったかなと思います。
Q:Lさんにお話を伺っていて思うのは、すごく目標が明確だなと。例えば業界の選択もそうですし、志望企業の絞りもそうですし。
A:私もそう思います(笑)。その時の私にとって、時間のない中で最適解でした。
Q:それでは最後に、そんなLさんから、今後就活をする予定の後輩とか、いま就活中の後輩に向けてメッセージをいただきたいです!
A:さっきも言ったかもしれませんが、私と同じようなクリエイティブ職でしたら、ポートフォリオの準備は本当に肝心です。後々後悔しないように、そこの準備は抜かりなく行ってもらったほうが良いかなと思います。
Q:いままでのインタビュアーの中でLさんが初めてのデザイナーなので、これからクリエイティブ職を目指す後輩にはすごく価値があると思います。ありがとうございます。他にも何かありませんか?
A:すごく単純なことですが、元気でいることも大事だと思います。面接でももちろんそうで、元気に質問に答えていったほうが印象良くなりますよね。それと入社後も同じです。仕事をする上、どうしても同僚とのコミュニケーションは発生するので、他の方に不快をかけない、自分でも気持ちよく仕事ができるようにしないといけないことだなと。
Q:貴重なお話をどうもありがとうございました!