英語資格・検定・試験English exam
TOEIC Part3学習法を紹介します。
2016年にスタートした「新形式」と呼ばれるTOEICでは、Part3が9問増えました。9問は3セット、3会話に相当し、Part3終了後の疲労感は、旧形式とは比べ物になりません。Part3でリズムが崩れ、そのままPart4でもペースを立て直すことができずに、目標点数未達という方が多くいらっしゃいます。Part3では、聞く、読む、更に新形式では、表やグラフを見るという3つのスキルが必要になったので、特に解法のリズムに乗ることが大切です。解法のリズムとは、音声が流れている間に自分が何をしているべきか、を指します。例えば、Part3のDirectionが流れている間、はじめの1セット、3問に目を通します。Directionは毎回同じです。真剣に耳を傾ける必要はありません。それよりも、1セット目がどんな会話になるのかを予測しながら問題に目を通します。事前に情報を仕入れてからリスニングに臨むのと、何も情報がない状態で聞くのでは、入ってくる情報量に圧倒的な違いが生まれてしまいます。これは私たちが実生活でも常に行っていることです。映画を観にいくのでも新聞やインターネットのレビューを読んでおきますし、会議でも事前に配布されたアジェンダに目を通してから参加します。Part3正答率アップはこの「先読み」に尽きます。次に、音声を聞きながら正解をマークし、設問が読み上げられている約24秒で次のセットを先読みする、2セット目の会話が流れる間に正解をマーク・・・、このリズムを守ることがPart3では最も大切なテストテーキングスキルとなります。
設問の先読みをすると、どんな会話になるのか、ある程度の予測を立てることができます。”What is the man’s problem?” “What does the woman suggest the man do?” “What will the man probably do next?”という3問があったら、困っている男性、アドバイスする女性、それを受けて行動に移す男性という脳内無声映画が描けるはずです。このように問題の先読みをすると、誰が何を言うのかが推測できる、即ち待ち伏せ作業が可能になります。男性の発言には「困っている内容」が含まれているし、女性はなんらかの「提案」「アドバイス」をします。続いての男性の発言は「良いね、それやってみるよ」という提案を受ける内容になっているはずです。3人が会話する問題もありますが、このように性別が明らかで、発言の内容がある程度絞れるようになるとPart3の正答率アップに近づきます。39問という長いPart3の中で、どこかで解法リズムからずれてしまったとしても、その問題は潔く諦め、次のセットの先読みからペースを立て直しましょう。1問失ったとしても、先読みに対するリターンは大きいのです。
Part3を難しくする要因として、会話の展開が読みづらいという点があります。意思を持った二人以上の会話なので、ある話者の提案に対し賛成するのか、反対するのか、実際に発言を聞かないとわかりません。30秒程度の音声を全て聞き取り、全て覚えておくというのは990点取得者であっても不可能です。では、高得点取得者はどのように13もの会話を聞き、正解を選べているのか、それは、全て聞くことを諦めているからです。”Do you know where this year’s conference is going to be held?”という文があれば、”… know where… this year … conference … held?” と意味を持つ語だけを聞き取り、単なる機能としての語は聞いていません。このような聞き方は、徹底的な音読トレーニングにより可能になります。音声と全く同じリズム、イントネーション、発音で音源を再生することが音読トレーニングの定義です。この時に強く読まれる音を正確に強く読むことができれば、聞き取り時にも強く読まれる音とそうでない音の区別ができるようになるのです。新形式になって、Part3の難易度が上がったと言う人が多くいますが、解法のリズムを厳守することと音読トレーニングを続けることで、正答率アップは決して難しいことではないはずです。