ICT教育ICT Education
ICT教育とは何か?導入にあたりのメリットやデメリットなど、これからICTを教育現場に導入することをお考えの方のために基本的な知識をまとめます。
ICTとはInformation and Communication Technologyの略で、ICT教育とは、『学校教育等において、電子機器や通信機器を使って情報をやり取りし学習をする』ということです。
昨今、ICT教育という言葉をよく耳にするようになってきました。中には「ICT教育とは教科書をタブレット端末に変えること」と勘違いしている方の声も聞こえますが、そうではありません。ICT教育とはコンピューターやインターネットと言った情報通信技術を教育に活用し、より質の高い学習のために学校の仕組みを作ることです。
徐々に教育現場では電子黒板やタブレットなどの導入が進められていますが、まだまだICTが十分に活用されていないのが現状です。生まれたときからスマホやタブレットが生活の中になる「デジタルネイティブ」世代である生徒たちがより効率的な学習を行えるよう教育現場でのICT活用は大きなテーマであると言えます。
ICT教育に使われる機器には、次のようなものがあります。
タッチパネルやペンで入力できる携帯用のパーソナルコンピュータです。
代表的なものにはiPadやNexus、Surfaceなどがあります。
コンピュータ上の画面を投影すると、付属のペンを使えば黒板同様、実際に書き込みをすることができます。
文字や図、イラストなど、画面やボード上に書き込んだ内容を電子変換し、生徒が持っているタブレットなどにデータ保存もできます。
コンピュータ上の画面やDVD、その他のデジタル教材を映し、生徒全員が内容を見ることができます。
コンピュータやタブレット上で使用する教材です。教科書データもその1つです。
他にも数学なら図形を立体的に表示したり、理科の実験の様子を動画で表示したりすることができます。
ICT教育のメリットは大きく4つあります
デジタルで学ぶことで、学習意欲の向上し、生徒は楽しく学習を進めていくことが出来ると期待されています。文部科学省が行った、平成18、19年度の調査では ICTを活用して授業を行った教員の98.0%が「関心・意欲・態度」の観点で効果があったとし、更にテスト結果でも小中高ともに効果があったと認められました。
引用:文部科学省「教育の情報化に関する手引」検討素案
“http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/056/shiryo/attach/1244851.htm”
教師は、教材作成の準備や板書の時間が短縮でき、生徒に教えること自体に集中することが出来るようになります。生徒側では、ディスプレイを用いることで、数学では「立体的に図形を捉える」、英語では「ネイティブ音声でヒアリングを行う」、社会では「映像を見ながら具体的に歴史を学ぶ」など、これまで出来なかった多角的な学習が可能になり、学習効果の向上が期待できます。
現在、PCやスマートフォンなどのデジタル機器を操作する能力は必須なものとなっています。
早い段階で、社会に出てから必要なデジタル機器の操作を学ぶことも同時に可能で、生徒のITリテラシーの向上にもつながります。
ICT教育のデメリットは大きく2つあります
ICT教育のデメリットとして、最も重要なものが機器や通信環境の不具合により、授業が影響を受けやすい、ということがあります。機器の故障はもちろんですが、ICT機器ならではのハード、ソフトの設定が適切に施されていない場合は、画面がきちんと表示されなかったり、音声や映像が流れてこなかったり、最悪、授業自体を受けることができない生徒が発生してしまう可能性があります。機器の紛失、故障、機器の設定を誰かが勝手に変更してしまうこと等、十分気をつける必要があると言えます。
また、ICT教育の中には、通信環境に大きく依存するものも多く、どうしてもICT教育の展開のしやすさでは、地域差が生まれやすくなっています。導入する際には、きちんとした業者に通信環境をチェックしてもらうと良いでしょう。
VDT症候群とは、パソコンやタブレット、スマートフォンなどのディスプレイ(VDT:ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)を使った長時間の作業により、目を中心として体や心に影響の出る病気です。別名IT眼症とも呼ばれています。
目が疲れる、痛む、視力が落ちるなどの目の症状や、肩が凝る、だるいなどの体の症状、イライラ、抑うつ状態などの精神の症状などがあります。ディスプレイを使った、1日の連続作業時間が長いほど、このような症状を訴える人も多くなります。
ディスプレイを長時間見続けず、適度な休憩をとり、時々体を動かして身体の緊張をほぐすことなどが効果的です。ICT教育を導入する際には、十分気をつけたいですね。