留学の新常識Study abroad
日本人がアメリカなど海外の大学に進学するに際して、学びたい専攻としてしばしば名前が挙がるのが、国際関係学です。 ただ、日本の大学が持つ国際関係学科で学ぶような学問分野は、アメリカの大学では一般的に国際学専攻と呼ばれており、国際関係学専攻とは一般的に区別されています。国際学と国際関係学の共通点と違いをご説明します。
国際学という学問が、明確に確立されているわけではなく、国際学専攻では国際にかかる様々な学問分野から学ぶ、学際的な専攻となっています。
国際学では一般的に、国際的な諸問題に関わる政治、経済、社会、地域、文化、言語、宗教、政府、その他あらゆることを含みます。
国際学は、英語では一般的にInternational Studies、Global Studies、International Affairsなどと呼ばれます。基本的にはInternational Studiesは国単位で物事を考え、Global Studiesは地球単位で物事を捉えるといったように、力点の違いが専攻名の違いで表現されていますが、実質的に同じと捉えてほとんど支障ありません。
国際学はアメリカでも人気が高まってきている専攻であり、多くの大学が国際学専攻(Major)を持っています。また、他の専攻と並行して履修できる国際学の副専攻(Minor)を持つ大学も多いです。
国際学は多様な学問分野にまたがる専攻ですから、カリキュラム内容も大学によって少なからず異なります。国際学が含む学問分野の中でも、特に取り組みたい分野を絞っている人の場合には、各大学の国際学専攻がどのようなカリキュラムになっているのか、具体的に検討することが重要です。
各大学の国際学専攻には、さらに専攻内での専門分野(Concentration、Emphasisなどと呼ばれます)が用意されていることが一般的です。よくある専門分野としては、国際文化、地域学、国際関係・外交・防衛、国際政治・経済、言語、国際宗教などがあります。
国際関係学とは、国と国との間の関係性に重点を置く専攻です。外交や、政治、紛争、防衛など、国と国がぶつかったり、協力したりすることに関する学問です。
国際関係学は、一般的には国際学あるいは政治学の一分野という位置づけになります。外交など専門性の高い学問分野に限定して学ぶため、アメリカの大学の大半が持っている国際学とは異なり、学部課程で国際関係学専攻を持っている大学は数少ないです。基本的には政治や外交、紛争解決、平和、防衛等の諸分野を、より突き詰めて勉強したい学生が、大学院で本格的に学ぶ学問と言えるでしょう。
国際学や国際関係学に興味のある方は、以下のような諸分野も含めて専攻の検討をすることで、大学の選択肢を広げることができるでしょう。
社会学、政治学、経済学、国際ビジネス、文化学、民族学、言語学、英語学、アメリカ学、アジア学、ヨーロッパ学、アフリカ学、中東学、紛争学、平和学、防衛学、宗教学、心理学、生物学、法学