留学の新常識Study abroad
交換留学と言えば一般的に、在籍している大学から、海外の提携大学に1年間などの期間限定で留学できる制度です。従来はこの交換留学制度の場合、海外に留学したい日本人は多いが、日本に留学したい外国人が少なかったため、形骸化していると言われてきました。しかし、日本政府の方でも「日本再興戦略」や「第二期教育振興基本計画」において、2020年までに日本人の海外留学者数を倍増することを掲げ、本格的に交換留学等の活用に乗り出す日本の大学が急増しています。
交換留学では、正規の学生として在籍している大学から、提携大学に1年間といった期間の間留学することができます。期間に制限があるとは言え、時間の使い方次第では現地学生と同じ大学の授業を受け、同じキャンパス内で生活し、同じクラブ活動に励み、大学周辺の人々と交流するなど、極めて充実した留学生活を送ることが可能です。
通常、こうした交換留学先では、英語による授業を履修する、あるいは英語を勉強する授業を履修することになりますが、留学先の国やプログラム等によっては、スペイン語、中国語、フランス語、ドイツ語等、現地の言語での授業を受けることも可能です。
派遣元大学からの代表という形で留学するため、交換留学に申し込む際に学業成績や英語スコアなどによる参加条件があり、また留学先での積極的な活動を期待されることが一般的です。留学先で取得した単位は、在籍大学に認められることが一般的ですが、事前の確認が必要です。
交換留学で発生する費用は、制度の取り決め内容にもよりますが、日本の大学の正規授業料を納めている限りは、留学先大学の授業料は免除されることが一般的です。この場合、通常費用が高い大学への交換留学ができれば、差額の分費用的にお得であると言えます。
また、交換留学制度への参加希望者を増やす、参加の際の費用負担を軽減するなどの目的で、交換留学プログラム参加者に対して奨学金を支給する大学もあります。成績優秀者など一部の選抜者にのみ支給することが一般的ですので、大学在学中は良い学業成績の維持や、大学に関連する活動への積極的な参加等、日々の学生生活に励むとよいでしょう。
交換留学では、日本の大学から海外の大学へ交換留学をする場合には、伝統的には1年間の参加が一般的ですが、1学期単位で参加する留学プログラムも多数あります。交換留学参加のための選考に選ばれさえすれば、毎学期別の国の大学を転々とすることも可能です。交換留学制度の活用の広がりに合わせて、費用や参加難易度に関しても柔軟なプログラムが増えてきています。留学先は欧米に限らず、アジア、中東、中南米、アフリカ等、様々な地域の大学に広がりを見せています。また、日本の大学から海外の大学への交換留学だけでなく、海外の大学に在籍する日本人学生が、別の国の大学に交換留学をする、あるいは日本の大学に交換留学をする、といったケースも多数見られます。