留学の新常識Study abroad
ヨーロッパに留学をしたい場合には、EU(European Union)圏内への留学をイメージしがちかもしれません。 ただ、実際には、EUビザというものは存在せず、代わりにシェンゲン協定があります。 EU内外のヨーロッパ諸国、実に26か国が参加しており、シェンゲン協定に加盟する国のうち1か国から学生ビザが下りれば、シェンゲン協定内の国には基本的に自由に旅行が可能です。 本来なら、渡航する1つひとつの国からビザを申請・取得していく必要があるところ、シェンゲン協定のおかげで最大26もの「ビザ申請」を、実質たった1回(90日未満の滞在ならビザ申請なし=ビザ申請0回)で終えることができます。
日本人の場合、シェンゲンビザの取得が免除されており、原則として出入国検査なしで、シェンゲン圏の国を行き来することができます。
180日間のうち90日以内の滞在(Short-Stay)であれば、ビザ申請なしで滞在が可能ですので、日本国内を旅行するのに近い感覚で、ヨーロッパ留学ができてしまいます。91日以上の滞在の場合は、各国の学生ビザの取得が必要となりますが、取得ができれば、シェンゲン圏の旅行は実質自由に行えます。
シェンゲン圏の国には、以下があります。
教育水準の高い国、英語が公用語の国、ビーチや山、湖など自然豊かな国、物価が安い国など、様々な国が加盟しているのが、シェンゲン協定です。
シェンゲンビザ(日本人ならビザ申請免除)を使えば、1つのビザで複数の国に旅行・留学が可能です。
例えば、
最初の1カ月はマルタで英語留学、
次の1カ月はフランスでフランス語留学、
最後の1カ月はドイツでドイツ語留学、
その後は学生ビザを使ってスイスに入国し、ホテル経営学専門の大学で学び卒業、
といったプランが可能です。
また、シェンゲン圏外の国への留学を活用することも可能です。
例えば、アイルランドとイギリスは、EU圏内でありながら、シェンゲン協定に加盟していません。
そのため、これらの国に旅行・留学する場合、別のビザルールが適用されますので、例えば、
マルタで3か月英語留学、
アイルランドで3か月英語留学・IELTSスコア取得、
シェンゲン圏内の大学で英語を使った学位プログラムを履修・卒業
といったプランも可能です。この場合、最初の6か月間はビザ不要で留学ができます。
また、アイルランドの学生ビザは、アイルランド現地で申請できますので、IELTSスコアの取得に3か月では足りない場合、スコア獲得まで学生ビザを延長していくことが可能です。